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日本の建設業界では深刻な人材不足が続いています。
先行きが不透明な経済状況のなかで、安定した施工サービスを提供するには、より多様な人材を確保することが課題といえます。
そこで注目されているのが外国人労働者の雇用です。
本記事では、建設業で外国人労働者を採用する際に知っておきたい在留資格や雇用の流れ、そして注意すべき点を詳しく解説します。
建設業で外国人労働者を雇用する魅力と背景
建設現場や不動産リフォーム業など、社会インフラを支える事業者には、常に高い水準の人材ニーズがあります。2〜3年先を見据えた施工計画を立てるうえでも、新たな人材を確保することは企業の成長に直結します。
しかし、国内では少子高齢化や若年層の減少によって労働力不足が深刻化し、これまでのように日本人労働者だけで対応するのが難しくなりました。
こうした背景から、建設業界でも積極的に外国人を受け入れる流れが加速しています。
日本における技能実習制度の基本
日本の技能実習制度は、海外から実習生を受け入れて専門的な技能を習得してもらい、本国での産業振興に役立てることを目的としています。
建設業においても、この制度を活用して外国人労働者を実習生として迎え入れ、作業手順や安全管理などの実務を習得してもらうケースが増えているのです。
実習生を受け入れるには、監理団体との連携や受入計画の作成、労働条件の整備など、さまざまなステップを踏む必要があります。
また技能実習制度では、受け入れ期間や実習内容が細かく規定されているため、事前にしっかりと条件を確認しなければなりません。
特に建設現場での安全教育や生活支援体制など、実習生の適応性を高めるための取り組みが重要となります。
不備があると受入体制が整っていないとみなされ、許可が下りない場合もあるため注意が必要です。
特定技能制度の概要
2019年にスタートした特定技能制度は、一定水準以上の技術や知識を有する外国人に対し、日本での就労を認める在留資格を付与する制度です。
特に建設業で外国人労働者を雇用する際には、この特定技能制度を活用することで、比較的長期間の就労が可能となります。
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」があり、1号は比較的基本的な業務に従事することができる一方、2号ではより専門性の高い業務に対応できることが特徴です。
ただし特定技能が適用される職種や業種は限定されており、建設業のなかでも該当する作業種別が定められています。
受け入れる企業側は、試験への合格や適切な受け入れ環境の整備などが必要で、無制限に誰でも受けられるわけではありません。
さらに特定技能1号から2号への移行基準を満たすかどうかなど、その後のキャリアパスも視野に入れたサポート体制を構築することがポイントです。
外国人労働者雇用のメリット
建設現場では人材不足が深刻なため、安定的に人員を確保できることは大きな利点です。外国人採用を行うことで、施工スケジュールに合わせた柔軟な人員配置が可能になり、プロジェクト全体の進捗管理がしやすくなります。
さらに、海外での別の仕事経験を持つ人材であれば、新たな視点や技術を取り入れるチャンスにもなります。
加えて、外国語でのコミュニケーションが必要な案件(海外企業との共同施工や在日外国人オーナーとのやり取りなど)にも対応しやすくなるでしょう。
人材の多様性は同時に企業文化を豊かにし、働きやすい環境づくりやイノベーションの創出にも寄与します。
もちろん、適切な教育やサポート体制を整えることで、モチベーション高く働いてもらいやすい点もメリットの一つです。
労使双方が納得できる雇用環境を整えれば、中長期的な戦力として期待できるようになるでしょう。
日本人求人との比較
建設業界では、日本人の若手人材が減少すると同時に、技術をもったベテラン層も高齢化が進んでいる現状があります。
外国人労働者との比較でみると、コミュニケーションコストや生活サポートの必要性などの追加負担はあるものの、それを上回る労働力確保のメリットがあります。
日本人求人の場合でも高齢者雇用や女性活用といった選択肢はありますが、求職者の絶対数は限られているため競合が発生しやすいのが現実です。
一方、外国人材はまだまだ開拓が可能であり、相互に信頼関係を築くことで長期的な雇用にも結びつけやすいという点が特徴といえます。
ただし、日本人同様に福利厚生や社会保険対応などを適切に行う必要があるため、コスト計算を慎重に行うことは欠かせません。
トータルで見たときに、それらの制度負担以上の価値を生み出せるのかを検討しながら、適材適所の配置を考えることが大切です。
人事・採用に関する記事はこちら
建設業で外国人労働者を雇用するための在留資格
建設業で外国人労働者を採用するにあたっては、必ず在留資格の取り扱いを正しく理解しておく必要があります。
技能実習や特定技能、高度人材ビザなど、どの資格を利用するかによって就労範囲や在留期間が異なります。
ここではそれぞれの在留資格の概要と、実際に取得する際の注意点を解説します。
技能実習の在留資格
技能実習の在留資格では、あくまでも「技能習得」が主目的であり、受け入れる企業は「実習計画」の作成を求められます。
この計画が適正でないと判断されれば、在留資格が認められないだけでなく、改善指導や最悪の場合は受け入れ停止措置が取られることもあります。
特に建設業で外国人労働者を技能実習生として受け入れる場合、監理団体を通じた流れになるため、手続きにも時間と手間がかかる点を考慮しましょう。
技能実習は段階的にレベルアップしていく過程が設定されることが多く、実習生の学習環境と成果管理が重要です。
また、技能検定などを通じて、実習成果を客観的に証明する仕組みも整っています。
受け入れ側は、そのサポートやフォローアップをきちんと実施する責任を負う点を忘れないようにしましょう。
特定技能の在留資格
特定技能は、技能実習よりも実際の労働に近い形での就労ができる在留資格です。建設業では特定技能1号と2号において各種現場作業が認められます。
特定技能1号では、試験合格が必須となり、さらに指定の業種と業務範囲に限定されます。建設に関しては型枠施工や鉄筋施工など細分化された分類があり、対象範囲を事前にしっかり確認することが大切です。
特定技能2号では、より高度な技術や管理業務が含まれるため、1号から2号への移行条件はいっそう厳格に設定されています。
この制度を活用する場合、試験の実施スケジュールや日本語能力水準も確認し、一度に大量の外国人材を受け入れる場合はテスト対策や研修体制の充実が求められます。
企業は対象者の受験サポートや在留資格申請の手続きについても十分にフォローしなければなりません。
制度を最大限活かすためには、長期的な育成計画を描き、彼らがキャリアアップできる仕組みを提供する視点が不可欠です。
高度外国人材のビザ
高度外国人材向けビザは、高い専門的知識や技術を持つ外国人を対象とする在留資格です。
通常は建設現場の直接的な作業というよりも、設計や管理、エンジニアリング部門などで活用されることが多い傾向にあります。
例えば大規模な再開発プロジェクトにおいて、海外での実績が豊富な専門家を招くケースなどが該当するといえるでしょう。
このビザはポイント制で判定され、学歴や職歴、日本語能力などが総合的に評価されて在留の可否や期間が決定されます。
建設業で外国人労働者を高度人材として受け入れる場合は、給与水準や研究開発要素の有無など、よりハードルが高い基準を満たす必要があります。
取得できれば在留期間も長期となるため、プロジェクトの安定化や新技術導入に大きく貢献してもらえる可能性があるでしょう。
その他の在留資格との比較
建設業での就労には直接結びつかない在留資格も多数存在します。たとえば留学ビザや家族滞在ビザなどでは、基本的にフルタイムでの就労は認められません。
また、技術・人文知識・国際業務などのビザ区分もありますが、職務内容が事務作業や翻訳業務中心で、その範囲を超えた現場作業は原則認められない場合が多いです。
一方、特定活動ビザや特定活動許可など、特殊なケースで建設現場に従事できる場合もあるため、状況によっては個別に確認が必要となります。
こうしたビザの適用範囲を正確に把握せずに雇用してしまうと、違法就労のリスクを負う可能性がある点は押さえておきましょう。
企業側の法令順守と労務管理を徹底するためにも、在留資格について正確な情報を得られる専門家や行政書士への相談が欠かせません。
無理をして柔軟性のない在留資格で雇用を試みるのではなく、制度に適合した範囲で計画を立てることが重要です。
技能実習 | 特定技能 | |
---|---|---|
目的 | 技能習得 | 即戦力 |
在留期間 | 最長5年 | 最長5年(特定技能1号) |
建設業で外国人労働者を雇用する流れと手続き
外国人労働者の受け入れには、求人募集からビザ申請、そして実際の就業開始に至るまで多くのステップを踏む必要があります。
確実に手続きを進めるためには、在留資格の要件を満たす人材を選定し、申請書類や受け入れ体制の整備をきちんと行わなければなりません。
ここでは具体的な流れや注意点を4つのステップに分けて解説します。
求人募集から採用までの流れ
まずは求人募集の段階で、外国人労働者を受け入れることを前提とした条件設定を行います。言語能力の要件や業務内容の細分化など、明確に記載しておくことが望ましいでしょう。
採用募集の手段としては、国内在住の留学生や就労希望者を対象とする場合は日本国内の求人サイトや学校との連携も考えられますが、海外から直接募集する場合は仲介会社やオンライン求人プラットフォームの活用が一般的です。
面接ではオンラインツールを活用して人柄やコミュニケーション力を見極めるケースが増えています。
実際に内定を出す際には、在留資格を取得できる見込みがあるかどうかを大まかに確認することが重要です。
企業側は採用内定後に、在留資格取得のための準備や入社後の研修計画を立案し、本人との連絡を密にとって進めます。
この段階であらかじめ、生活サポートや寮の有無なども含めて説明することで、ミスマッチを防ぐと同時に安心感を与えることができます。
在留資格認定証明書交付申請
在留資格を新規で取得する場合は、在留資格認定証明書(COE)の交付申請が必要です。これは入国管理局(出入国在留管理庁)に対して行われ、審査を経て問題がなければ発行されます。
申請には企業情報や雇用契約書、採用予定者の履歴書や各種証明書など、多くの書類を準備します。建設業で外国人労働者を雇用する際には、業務内容が適切に説明されているかどうかがとくに重要です。
企業の財務状況や雇用実績なども審査の対象となるため、安定的に外国人を受け入れられる環境であることを示す必要があります。
不足書類があると審査期間が延びるだけでなく、最悪の場合は不交付となる可能性も否定できません。申請前には念入りな書類チェックが欠かせません。
また、海外から直接加入する場合は申請手続きのタイミングに注意し、ビザの有効期限や開始時期との整合性をとっておくことが必要です。
スケジュール管理を誤ると、希望の入社日に間に合わない事態が起こるため、早め早めの準備を心がけることが肝心です。
就労ビザ申請のポイント
在留資格認定証明書が交付されたあとは、海外在住の場合は現地の日本大使館や総領事館でビザ申請を行う流れが一般的です。
このとき、COEとパスポートを提示することで就労ビザが発給されます。最近では新型コロナウイルスの影響による入国制限期間もあり、以前より手続きが複雑化するケースがあります。
企業側としては、現地の大使館へ必要書類を速やかに提出できるように、あらかじめ本人へ書類一式を送付し、不備が起きないようにサポートします。
また、ビザ発給までの期間は数週間かかることも珍しくなく、繁忙期にはさらに時間がかかることもあり得ます。
建設業で外国人労働者が早期に就労できるよう、着任時期に余裕をもったスケジューリングが重要です。
ビザ申請は不備があるとやり直しになる可能性があるため、書類のチェックや期限管理は欠かさずに行いましょう。
就業に関する注意点
無事に就労ビザを取得し入国できたら、実際の業務に入ります。最初の段階で職場ルールや安全教育、福利厚生などを丁寧に説明することで、スムーズに適応してもらうことが期待できます。
特に建設現場では安全対策が必須となるため、日本語能力の関係で理解が曖昧になりやすい箇所は視覚資料や通訳を活用するなどの工夫が必要です。
また、定期的な面談やアンケートを実施することで、業務上の不明点やストレス要因を早めに把握して対処しやすくなります。
労働条件や給与体系などについては、就業中も変動がある場合があるため、常に正確な情報を共有して信頼関係を維持するよう心がけましょう。
就業後、ビザ更新時期が来たら必要書類を再提出することになるため、その準備も見据えておくことが大切です。
トラブルを未然に防ぎ、長期的な雇用関係を築くためにも、継続的なコミュニケーションと管理が欠かせません。
建設業で外国人労働者を活用する際の注意点
外国人労働者を雇用することで人手不足の解消が期待できますが、文化や言語の違いからくるトラブルを未然に防ぐための対策が重要です。
ここでは、採用後の現場運営において留意すべきポイントを解説します。
コミュニケーション対策
言語の壁は建設業の現場で安全に直結する課題となります。コミュニケーションが十分でないと、危険箇所の指示がうまく伝わらず、事故のリスクも高まります。
そこで多言語マニュアルやピクトグラムを活用した案内表示など、視覚的に理解できる仕組みを整備すると効果的です。
また、社内研修で日本語能力向上をサポートする制度を設ける企業も増えています。例えば週に一度、日本語教室を開催することで業務でのコミュニケーションギャップを減らせるでしょう。
さらに、現場リーダーや先輩スタッフのサポート体制を強化し、わからないことがあればすぐに質問できる雰囲気を醸成することが重要です。
小さな誤解を放置すると大きな問題に発展する可能性があるため、意識的に声をかけ合う文化を育むことで生産性の向上も期待できます。
結果的に職場全体の雰囲気も良くなり、定着率やチームワークの向上につながるでしょう。
労働条件の明確化
外国人労働者に対しても、日本人と同様に労働基準法や最低賃金法が適用されます。賃金や休日、残業代の計算方法などを明確に開示し、雇用契約書にもきちんと記載しておくことは必須です。
雇用条件が不明確なまま働かせると、後々「騙された」と感じて離職されるばかりか、法的なトラブルにも発展しかねません。
また昇給や賞与、各種手当の有無なども透明性ある形で説明することで、安心して働いてもらえる環境が築けます。
特に建設業はいわゆる「現場手当」や「資格手当」などが多様に存在するため、どのような条件で支給されるのか分かりやすく示すことが大切です。
就労規則や勤務時間帯、休日のスケジュールなども整理しておけば、双方の認識のずれを減らせます。
社会保険や厚生年金の適用範囲など、日本人と同じ基準で対応する部分も多いため、改めて確認しておくと良いでしょう。
トラブル回避への取り組み
文化や価値観の違いは、思わぬ場面でトラブルの火種となることがあります。例えば休憩時間の取り方、休日の過ごし方、宗教的な制約など、従来の日本人スタッフ中心の職場とは異なる配慮が必要となります。
そのために、事前のオリエンテーションや定期的なヒアリングを行い、早期に問題を把握して対処する体制を整えることが重要です。
一方でスタッフ間のイジメや差別といった問題が生じた場合、企業として厳正に対応する姿勢が求められます。放置すれば企業イメージの低下や法的リスクに発展する場合もあります。
また、日本人側が「異文化に興味を持つ」姿勢を育む社内研修を行うことで、多様性を受け入れる土壌が育つでしょう。
海外出身のスタッフを迎えることで企業全体がグローバルな視点を得られる可能性も高いため、ネガティブな面よりもポジティブな面に焦点を当てた施策が有効です。
外国人スタッフが働きやすい環境を整えることは、結果的に日本人スタッフにとっても気持ちよい職場づくりにつながるでしょう。
定着率向上のための環境整備
定着率を上げるためには、働くモチベーションを維持しやすい仕組みが必要です。給与や昇格制度のほか、キャリアアップにつながる研修や資格取得支援などを設ける企業は少なくありません。
また社内での評価制度を明確にし、どのような成果を上げれば昇給やポジションアップが可能なのかを具体的に示すことが重要です。
日本での生活面においても、住宅や医療保険、税金の手続きサポートなど、外国人が戸惑いやすい部分をフォローする取り組みが必要となります。
職場以外でのコミュニティ形成を助けるイベントの開催や、自国の文化を共有できるネットワークを紹介するなどの配慮も定着率向上に効果的です。
建設業で外国人労働者を長く雇用する場合は、生活面のサポートとキャリア形成の両輪を整備することが大きなカギといえます。
企業側が丁寧にスタッフを気遣い、コミュニケーションを深めることで、信頼関係が強まり、長期定着につながると考えられます。
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まとめ
建設業において外国人労働者を雇用する流れや必要となる在留資格について理解することは、人材不足の解消や事業拡大に向けた重要なステップです。
技能実習や特定技能などのビザ制度はそれぞれ特性が異なるため、企業の求める労働力や業務内容に応じた選択が必須になります。
実際の採用や在留資格申請、そして就業開始後のフォローまで、丁寧に対応することで長期的な雇用関係を築くことができるでしょう。
文化や言語の違いによるトラブルを未然に防ぐためのコミュニケーションや、安全管理面での配慮もポイントです。
雇用のミスマッチを減らすために、あらかじめ必要書類や手順を理解し、専門家の助言も取り入れながら準備を進めると安心です。
国際化が進むなか、多様な人材を活かせる組織体制を構築することは、企業の競争力強化にもつながります。
ぜひ本記事の内容を参考に、自社に適した形で外国人労働者の採用を検討し、建設業での事業拡大と安定した施工サービス提供に役立ててください。
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