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火事によって建物が焼失した場合、復旧に向けた解体工事が必要となることがあります。
この際には多種多様な廃材が発生し、適切に処理しなければ環境への影響やコスト増大、不法投棄などのリスクを招くおそれがあります。
本記事では、火事解体時に生じる産業廃棄物の特徴や分別・処理の具体的な方法、関連する法律や届出、安全対策などを詳しく解説します。
最後までご覧いただくことで、安全かつ円滑に解体工事を進めるための基礎知識を得られます。
火事による解体で発生する産業廃棄物について
火事で建物が損傷した場合、外観はもちろん、内部構造や建材にも大きなダメージが生じます。燃え残りや熱による変形など、通常の解体と異なる状況が多いため、特有の産業廃棄物が発生することが特徴です。
ここでは、火事解体が抱える産業廃棄物の特徴と、どのような廃棄物が生じやすいのかを整理し、工事前に把握すべきポイントを解説します。
火事後の解体工事では、焼け焦げた建材や煤(すす)が付着した部材など、特殊な廃材が大量に出る場合があります。
適切な分別処理を行わないと、工事費用が大幅に膨らんだり、不法投棄リスクを負う可能性があるため注意が必要です。
火事解体と産業廃棄物の特徴
通常の解体工事では、建物の構造や使用されている資材に合わせて廃棄物を分別していきます。ところが、火事解体では、建造物が部分的に焼失しているため、素材が変質していることも珍しくありません。
たとえば、木材の一部が炭化していたり、金属部材が熱で歪んでいる場合があります。これによって、人力での分別作業が複雑化し、処分費用や手間が増す傾向があります。
さらに、建物の内部にあった家財道具や配線類が焼け焦げて混在していると、どの種類に分類すべきか判断が難しくなるケースもあります。
このように、火事による解体では、廃棄物が混在しやすく分別作業のハードルが高いのが特徴です。
適切な処理を行うためには、焼失状況や解体対象物の構造を慎重に確認しながら進める必要があります。
発生する主な廃棄物の例
火事解体で発生する産業廃棄物として、代表的には木材、金属、コンクリートなどが挙げられます。特に木造住宅で火元が広がった場合、大量の炭化木材が生じることが多く、焼け焦げた断熱材や内装材もまとめて処理されがちです。
また、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物では、鉄骨や配筋が曲がったり、コンクリート片が大きく砕けて残ることがあります。これらが混在してしまうと、再資源化の妨げとなり、リサイクル可能な資材が有効利用されにくくなるリスクが高まります。
さらに、火事の熱で溶融したプラスチックやゴム製品が塊状になり、分別が難しくなるケースも見受けられます。家電や家具などが火元にあった場合、内部の金属部品と樹脂部品が一体化するなど、解体作業時の混乱を招くこともあります。
こうした特殊廃材を的確に選別しなければ、不適切処理や追加費用の発生につながる可能性があります。
事前把握の重要性
火事解体では、解体前の現場調査がとても重要です。焼失面積や残存している構造体の材質を確認することで、どの程度の廃棄物が出るか把握できます。たとえば、木材が主体の建物なのか、石綿含有建材が含まれているのかを事前に調べることがポイントです。
また、火事の原因によっては、化学薬品が漏れ出している場合や、有害物質が飛散している恐れも否定できません。これらが混入していると産業廃棄物として扱う際に特別な処理を要するため、確実な現場調査が欠かせません。
解体費用の見積もりを考える上でも、事前の情報収集は必須であり、それが後々のトラブル回避につながります。
解体工事に関する記事はこちら
火事解体時に必要な産業廃棄物の分別と処理
次に、火事解体で発生する多種多様な廃棄物を、どのように分別すればよいのかを解説します。特にミンチ解体と呼ばれる方法と、分別解体の違い、そして適切な処理を証明するために必要なマニフェストの活用について見ていきましょう。
木材や金属など素材別の分別方法
火事解体で出る廃材を処理するうえでは、素材ごとに分別することが鉄則です。木材は木材、金属は金属、コンクリートはコンクリートといったように、できる限り段階的に仕分けを行います。
ただし、火災による熱変形や焦げ付きがあると「何の素材か分かりにくい」状態になりがちです。建物の図面や建築時の仕様書などを参考にしながら、解体業者が経験や知識を総動員して判別するケースもあります。
金属はリサイクル市場で取引される場合があり、買取価格がつく可能性もあります。木材に関しては、炭化していても一部は再資源化できるケースがあるため、専門業者の判断が重要です。
分別を徹底すればリサイクル率が高まり、最終処分量を減らせるメリットが期待できます。
ミンチ解体と分別解体の違い
かつて解体作業では、重機を使って建物を一気に粉砕する「ミンチ解体」が行われていました。しかし、この方法では廃棄物が混在し、リサイクル可能な資材まで廃棄されるベースが残ります。さらにアスベストのような有害物質が飛散する危険性も高くなり、現在では原則として禁止される方向にあります。
一方、「分別解体」は文字通り素材ごとに解体を進める工法です。骨組みや内装を段階的に取り除きながら、それぞれの廃材を分別して排出します。手間も時間もかかりますが、より安全で環境に配慮した方法として広く普及しています。
火事解体でも、分別解体を行うことで焼け焦げた部分や有害物質を含む部分を特定しやすくなり、適正かつ安全に処理が進められます。燃え残りや混在物も整理しやすくなるのが大きな利点です。
適切な分別解体は法令遵守だけでなく、コスト管理やトラブル回避にもつながります。
マニフェストの活用による適正処理
解体工事で排出された廃材が適切に処理されているかを、書類のやり取りで管理するしくみが「産業廃棄物管理票」、いわゆるマニフェストです。マニフェストの発行と受け取りをきちんと行わないと、不法投棄された場合でも施主が責任を問われる可能性があります。
特に火事解体の場合、廃棄物に焦げ付きや破損があるため仕分けが難しく、焼失物をまとめて処分しようとすると不明瞭な点が増えやすいです。そこで、マニフェストを通じて排出物の種類や数量、処分のルートを明示することが重要となります。
また、処理業者の許可番号や処分方法を事前に確認することで、信頼できるルートで適正処理が行われているかを把握できます。
マニフェストを活用することで、産業廃棄物としての責任範囲を明確にし、施主としてのリスクを最小限に抑えられます。
火事解体の際に守るべき産業廃棄物の法律と届出
火事解体を行う際には、法令にもとづく適正処理が求められます。建設リサイクル法や廃棄物処理法など、守らなければならない規制は意外と多く、無視して工事を進めると施主も罰則を受ける可能性があるため注意が必要です。
建設リサイクル法と廃棄物処理法
建設リサイクル法は、一定規模以上の建築物を解体する際、コンクリートや木材などの再資源化を促すための法律です。対象となる建物の延床面積や工事費用に応じて届出が求められる場合があり、解体工事業者と施主が連携して手続きをすることが必要です。
一方、廃棄物処理法は、産業廃棄物の適正処理を定める基本的な法律です。解体工事で出る廃材は産業廃棄物に分類されるため、処分方法を誤ると違法行為とみなされるおそれがあります。
火事解体だからといって例外が認められるわけではないため、焼却物や一部炭化した建材であっても、適切な手続きを踏む必要があります。工事の規模により、事前に提出する書類や、帳簿の作成などが義務付けられることがあります。
これらの法律を守ることは、環境保護だけでなく自らのリスク回避にも直結します。
不法投棄回避と施主のリスク
解体で発生した廃材を違法に投棄する行為は、廃棄物処理法に反し、当然ながら処罰対象となります。知らない間に解体業者が不法投棄を行っていた場合でも、排出事業者である施主が責任を問われるケースがあります。
特に火事解体の場合、焼け焦げの廃材は処理費用が割高になることもあり、コスト削減を理由に不適切な処理を行う悪徳業者が存在する可能性は否定できません。
したがって、信頼できる業者かどうか、産業廃棄物処分の許可証を有しているか、見積書や契約書に処理費用が明確かなどを良く確認する必要があります。
万一の不法投棄を防ぐためにも、施主自身が積極的にマニフェスト等を確認し、業者選びを慎重に行うことが望まれます。
解体前に必要な手続きや届出
建設リサイクル法の対象となる解体工事の場合、着工前に自治体へ届出を提出する必要があります。必要書類の例としては解体工事の概要や設計図、分別解体計画などが挙げられます。
廃棄物処理法においては、排出事業者が適切に産業廃棄物を処理する責任を負います。解体工事を委託する際も、委託契約書に処分の方法や費用を明確に記載し、相手先の許可の有無を確認することが大切です。
火事解体では状況によって廃材の量や種類が予想しにくい場合があるため、追加の届出や書類の修正が発生することも考えられます。現場での変更点を即時に反映し、書類の不備がないよう管理することが求められます。
適切な届出と書類整備は、後々のトラブルを回避するために欠かせない工程です。
解体工事で役立つシステムに関する記事はこちら
火事解体産業廃棄物処理の安全対策と工事の進め方
火事解体は、通常の解体よりも焼け焦げた部材や構造の損傷が大きいため、作業時の危険度が増します。ここでは、現場での安全対策やリスクマネジメントの方法、アスベストなど有害物質が含まれる場合の対応、そして失敗しない業者選びのポイントを解説します。
現場でのリスクマネジメント
火災によって建物が大きく損壊していると、作業員が足を踏み入れたときに突然崩落する危険があります。そのため、着工前に構造強度を調査し、崩落リスクの高い箇所には支保工などの補強を行うことが必須です。
機械を使用する場合も、重機オペレーターが視界不良になることがあるため、誘導員を配置して作業をサポートするのが一般的です。焼失した建材には鋭利な破片が混じることも多いため、防護具の装備や工具の安全点検を徹底します。
こうした事前のリスクマネジメントを講じることで、大きな事故を防ぎ、安全な施工体制を築くことができます。
火事解体に慣れた業者であれば、作業計画にリスクヘッジの考えを盛り込み、スムーズに解体を進められるでしょう。
アスベストや有害物質への対応
古い建物から出るアスベスト(石綿)は、健康被害を引き起こす有害な物質であり、通常の解体はもちろん火事解体でも注意を要します。焼失により、素材が脆くなって飛散しやすい状態になっている可能性もあります。
アスベスト含有建材が使用されているかどうかは事前調査を実施し、該当すれば専門的な除去工事が必要です。除去時には防護服や専用の吸引装置を用い、飛散防止措置を講じます。
また、火災により配線や塗料から有毒ガスや重金属が発生しているケースもあり、適切な調査と対策が不可欠です。こうした物質については産業廃棄物の中でも特別管理産業廃棄物として扱われることもあり、防護と処理コストが相応に高くなります。
有害物質が含まれている恐れのある廃材は、一般の解体作業とは別工程で安全に処理する必要があります。
信頼できる解体業者の選び方
火事解体を任せる業者を選定する際は、解体工事業の許可や産業廃棄物収集運搬・処分の許可を正しく有しているか確認しましょう。許可番号や会社の実績、レビューなどを参考にすると、安心できる業者を見つけやすくなります。
また、火事解体の経験が豊富かどうかも重要なポイントです。火事由来の特殊ケースに対応できる知識や機材を持った業者であれば、適切なアドバイスを受けながら工事を進められます。
さらに、見積書に「廃材の処分費用」「マニフェストの扱い」「追加費用が発生した場合の条件」などが明確に記載されているかを確認することが大切です。曖昧な説明しかしない業者は、後々のトラブルの原因となるかもしれません。
適正処理と安全作業を両立させるために、経験・実績・透明性を備えた業者に依頼することが肝要です。
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まとめ
火事による解体は、通常の解体と比べて廃材が複雑に混在しやすく、さらに建物の損傷度合いも大きいため、より慎重な対応が求められます。
焦げや破損状態が深刻な木材や金属、コンクリートを分別しつつ、法令遵守の観点から建設リサイクル法や廃棄物処理法にも配慮しなければなりません。
加えて、不法投棄のリスクを回避するためにマニフェストを活用し、有害物質の有無を事前に調査するなど、見えにくい部分にも目を配ることが大切です。
火事解体に取り組むときは、現場調査と届出、書類管理を徹底し、経験豊富な業者を選びましょう。
そうすることで、余計なトラブルを避けながら適切な費用と安全性を確保でき、再建や売却など次のステップへスムーズに移行できます。
火事による解体が必要な場合は、以上のポイントを踏まえ、安心・確実な産業廃棄物処理を心がけましょう。
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